会計事務所が打ち出すメニューの一つに「記帳代行」というものがあります。
その名の通り、「経理、帳簿付けを会計事務所が代行する」というサービスです。
じぶんひとりで事業を運営していたり、会社の規模が小さくて
経理専任の人材を配置出来なかったりするケースがとても多く
経理に割けるリソースがない、そういった痛みに届くサービスになっています。
ただ、本来事業主や会社が行うべき経理業務を外部に流すということで
以下のようなデメリットがあることは留意しておくべきかなと思います。
まずは、というか一番大きいところなのですが
例えば、前月の売上や費用の金額を知りたいと思ったときに
すぐ数値が出てこない可能性があるということがあります。
外部に経理業務を依頼しているので、
外注先が経理作業を終わらせていなければ当然、
すぐに前月の会計数値を知るということは難しいです。
作業が終わらない原因は様々ありますが、
資料が中々提出されない、
紙の資料ばかりで入力に時間がかかる、
締め切り日をそもそも設定していない、
等々、いろんなものがあります。
数値がわかるのが半年後、1年後というケースも
場合によってはあり得ます。
そうなってしまうと
月々儲かっているのかどうか、
このまま行くと1年後にはお金の残高はいくらなのか
といったことをいまいちはっきりと腹落ちしないまま
日々事業に取り組むことになってしまうので、
よほど資金が潤沢にあったり趣味でやっているようなものでない限り
好ましくない状況だと思います。
そうならないように記帳代行先ときちんと打合せておくのが
大事なことではありますが、
外部に委託する、ということ自体がそもそも
そういった、数値の適時把握という点に対しリスクがある
ということは認識しておくべき点です。
これを解決するには、やはり自社で経理をつけるということが
一番の解決策ではあります。
今はfreeeやマネーフォワードなどで従来よりもラクに
帳簿付けが出来るようにはなりましたが、
正しく帳簿付をするには、
取引ルールを設定し記憶させる、
適切に運用されているかを見直す
ということが必要です。
そこが結構たいへんではあるのですが、それが上手くハマれば
じぶんで知りたいときに事業の数値がすぐわかる、
ということにつなげられます。