重複チェック機能のない会計ソフトにおいて、仕訳の重複チェックをするには
どうしたら良いのでしょうか?
一つの案として、EXCELに仕訳出力&数式を使って抽出、という方法を提案します。

重複チェックの必要性

ここでいう「重複チェック」とは、

「ある一つの取引が複数仕訳登録され、
あたかも同一の日に同一の取引が複数回行われたかのように
帳簿付けがされてしまっていることがないかを確認する」

というように定義しておきます。

たとえば、紙の領収書を手入力で会計ソフトに入力するとき

すでに会計ソフトには仕訳が打ってあるのに、
同じ仕訳をもう一本打ってしまったり。

よくあるのは、クレジットカード明細を会計に連動しているのに
クレカ払いの領収書を、現金払いと勘違いして入力してしまったり。

こういった場面だけではないですが、
一つの取引を複数入力してしまい、帳簿上で二重計上となってしまうという
ケースは起き得ます。

厄介なのは、仕訳を打っているときにはこういったミスになかなか気づきにくいというところ。

なので、ある程度入力が終わった段階で、二重計上している仕訳がないかどうかを
確認したりします。
これが重複チェックです。

重複チェック機能のない会計ソフトでの重複チェック→EXCEL&数式で抜き出す

クラウド会計ソフトであるマネーフォワードクラウド会計、freeeには重複チェックをする機能が備わっています。

たとえばマネーフォワードクラウド会計だと、会計帳簿→仕訳帳と開くと、赤枠の「重複チェック」というのがあります。

このボタンを押すと、システムで「この仕訳は二重計上ではないですか?」というのが
リストで出てくるので、それを見ていく感じです。

対して、よく使われる会計ソフトの代表格である弥生会計のスタンドアロン版(PCにインストールして使う版)
ではこのようなボタン一つでチェックできる機能がありません。

幸いなことに仕訳をEXCELで抽出する機能はあるので、数式を使ってなんとかします。
(以下、弥生会計19を前提として書いていきます)

注意:
これから説明する方法は、どちらかというと
費用サイドのチェック方法である点を前提としてお読みください(理由は後述)

①仕訳帳をエクセルで抽出

「帳簿・伝票」→仕訳日記帳をセレクトし、「ファイル」→「エクスポート」で
仕訳帳のCSVデータを出力します。

②関数を使って、日付&借方金額のフラグをつける

どの列でも構わないので、「日付セル&借方金額セル」となるように数式を入れます。
下の図の赤枠のところです。

要するに、同じ金額の仕訳が二重で処理されていないか?を確認したいので、

「日付+金額」の数値をフラグとし、同じフラグがついているものが
二重仕訳となるわけなので、
これを検証していけば良いということになります。

③countif関数を使って、さっきつけたフラグの数を数える

となりの列にcountif関数を入れます。
範囲をフラグの列、検索条件をフラグに指定。

この数式の返しが2以上である場合、
同じフラグのものが複数存在している=同じ日付・同じ金額の仕訳が存在している
ということになります。
あとはこの列でフィルタをかけて、内容を検証するだけです。


※説明のため、何列か非表示にしています

仕訳を実際に見てみると、4/5付で15,000円の交際費の仕訳が2本計上されている・・・
これは二重っぽいぞ!と目星をつけて、
実際の証票を見たりして確認していくというような感じです。

この検証方法の注意点→費用サイドの検証であること

どういうビジネスをしているのかにもよりますが、

例えば同じ日に、複数の人数のお客さんに対して
同じ単価の商品やサービスを提供する、ということは普通に起きうることで、

要するに売上サイドでは、同一日に同一金額の取引が行われるというのは
費用サイドで同様のことが起きることよりも異常性を感じにくい
ので
このチェック方法ではミスを見つけにくいです。

別途保管している売上データとの突合をするほうがマシでしょう。

理想は、二重計上にならない仕組みを考えるほうが重要です。

とはいえ、諸々の事情でそれが叶わない方も多くいらっしゃしゃるでしょうから、
そんなときにヒントにしてもらえたらな、と思います。